
縮 絨 のお話
(Fulling)
ニットの仕上加工を大別すると、ニット製品の形とか構成状態を整え、より完全な製品とするための「仕上加工」と、それよりも一歩進んでニットの性能を改善し、その用途に応じる、より適応した性能の ものにするか、あるいは何らかの付加的な処理を行う「処理加工」があります。
「仕上加工」には、乾燥・生地の幅出し・蒸熱加工・乾熱加工・アイロン加工・プレス仕上・ セット加工などがあります。
「処理加工」には、縮絨・防縮加工・防虫加工・シルケット加工・樹脂加工・吸湿加工・パーマネントプレス加工・柔軟加工・プリーツ加工・起毛加工・ミンク加工等があります。
縮絨は毛製品にする処理加工で薬品と機械操作によっておこなわれます。
その目的は羊(獣)毛のフェルト性を 有効適切に発揮させることによって、製品の長さと幅を 収縮・安定させ、 編目を密にし、美しくしてコシを持たせる事にあります。
この結果、生地の光沢や感触も向上し、全面をフェルト毛で覆うことによって生地質や外観を改良、あるいは強さを加えることも出来ます。
この縮絨加工は、特に紡毛製品には不可欠の加工といえるもので、紡毛独特の風合はこの工程によって初めて作られます。
機械としてはワッシャーが用いられ、薬剤としては、石鹸を主体に炭酸ソーダ・リン酸ソーダが共用されています。
処理方法としては、溶液は低温が適当で、温度が高すぎたり、回転が早く、圧力が強すぎると、製品がフェルト化し伸縮性がなくなります。

前精錬で染料を脱落させるこの時に落ちた染料が再汚染しないように温度は出来るだけ低くします。
その後本縮絨をします、よほど汚染がきつい時は前精錬でハイドロを0.5~0.8g/L いれればよい
しかし
① 少し色が変わることがある。
② リンキング糸に 綿・レ-ヨンスパン糸をつかわないこと
③ 刺繍・ワッペンに 綿・レ-ヨンスパン糸をつかわないことの条件が考えられるが、テストを数回繰り返し行い、確 認してください。
染色助剤
染色助剤とは、染料が布に染着するまでのプロセスにおいて、染料があまりにも早く吸着する為に生じる濃・淡斑や、浸透力、分散力が不足する場合に 生じる不均一染の現象をなくする目的に使うものである
基本的には、下記の二種の方法を使って染料の染着速度を抑える
イオン性繊維においては、
最初に吸着斑イオン部を反対電荷の活性剤で吸着飽和するか、
染料の持つ荷電を、反対荷電を持つ活性剤で中和する。 +-電荷の複合体として吸着速度を抑える
セルロース系繊維
水溶性染料では、染料との親和力をより高め単一溶解分子にすることにより染着速度を抑える
疎水性繊維
水溶性の低い染料では、染料の親和力を高め単一溶解分子にすると同時に繊維に対する親和力を抑える
前精錬で染料を脱落させるこの時に落ちた染料が再汚染しないように温度は出来るだけ低くします。

精錬や前処理工程で使用した薬品、染色中の夾雑物・発生するオリゴマー等に配慮がいる
縮絨工程
ラムズ・ウール、モヘア、シエットランドウール等の 混紡率80%程度の繊維

一般的にウールの混紡率が低くなるほど毛足が出にくい。
ゆえに温度を42℃~43℃位まであげる